【小児科医が解説】「何か飲み込んだ!」子どもの誤飲・誤嚥(ごえん)でパニックになったら読む緊急ガイド
【この記事の3行まとめ】
- まず確認するのは「息ができているか」。息ができない・顔色が悪い場合はすぐに応急処置と119番!
- ボタン電池・磁石・薬・タバコなどは、症状がなくてもすぐ医療機関や中毒110番へ!
- 無理に吐かせたり、見えない異物を指で探すのは絶対NG!迷ったらすぐ相談を。
こんにちは。南城市のゆくいこども診療所です。 赤ちゃんや小さなお子さんは、何でも口に入れて確認する時期があります。
「目を離した一瞬で、おもちゃの部品がなくなった!」 「食事中に突然、激しくむせ始めた!」
そんな瞬間、パパ・ママがパニックになるのは当然です。でも、ご自身を責める前に、まずは一度深呼吸してください。 子どもが何かを飲み込んだとき、一番最初に確認してほしいのは「息ができているか?」です。今すぐやるべき初期対応を分かりやすく解説します。
1. 🚨【超緊急】息ができない・声が出ない!(気管の詰まり)
食べ物やおもちゃが「気管」に入ってしまった状態(誤嚥:ごえん)です。窒息につながるため一刻を争います。
- 息ができない、声が出ない、泣けない
- 顔色が青白い・紫色になっている(チアノーゼ)
- 意識がぼんやりしている、急に苦しそうになった
【今すぐやるべきアクション】
- 周りに誰かいる場合: 大きな声で「119番して!」と誰かに頼み、あなたは直ちに応急処置を始めてください。
- 大人が自分1人だけの場合: 119番通報よりも「応急処置」を優先して試みてください。(スマホのスピーカーホン機能を使って、通報しながら処置をするのも有効です)
【応急処置のやり方】 以下の方法があります。(順序や回数は問いません)。
- 背部叩打法(はいぶこうだほう): 肩甲骨の間を手のひらの付け根で強く何度も叩く。
- ほかにハイムリック法がありますが、小児では臓器損傷のリスクもあるので上記だけでもよいです。
※小児科医からの注意※ 1歳未満の赤ちゃんには、内臓を傷つける恐れがあるため「腹部突き上げ法」は絶対に行わないでください。代わりに、胸の真ん中を力強く圧迫する「胸部突き上げ法」を行ってください。
⚠️注意:「激しい咳」ができている時は本人の力に任せて! 激しく咳き込んでいる場合は、自力で異物を出そうとしている証拠です。慌てて背中を叩いたりせず、まずは本人の努力に任せて見守りましょう。咳ができなくなったら、すぐに応急処置と119番です。
2. 🚑息はできている。でも「危険なもの」を飲んだ!
息はできていて胃に入った状態(誤飲:ごいん)でも、以下のものは症状がなくても緊急性があります。すぐに医療機関や中毒110番へ相談してください。
- 🔋 ボタン電池(食道にとどまると、短時間で穴が開いてしまいます)
- 🧲 磁石(複数個飲むと腸の中でくっつき、腸に穴が開く危険があります)
- 💊 薬(大人の薬など、種類や量によって非常に危険です)
- 🚬 タバコ(特に、水に浸かったタバコ液を飲んだ場合は猛毒です)
- 🧴 洗剤・漂白剤・除光液など
※「何の薬を」「何錠くらい」飲んだかを確認し、パッケージや現物があれば必ず捨てずに保管・持参してください。
3. ⚠️【絶対NG】良かれと思ってやってはいけない2つの行動
パニックになると、親御さんはつい以下の行動をとってしまいますが、絶対にやめてください。
❌ 無理に吐かせるのはNG!
薬品や鋭利なものの場合、吐かせることで食道をもう一度傷つけてしまいます。また、水や牛乳を飲ませることも、飲んだものによっては悪化を招くため、自己判断で飲ませたり吐かせたりしないでください。
❌ 見えない奥に「指を突っ込む」のはNG!
口の奥にあるものを指で取ろうとすると、さらに奥へ押し込んでしまい、完全に息ができなくなる危険があります。見えている範囲で安全に取れる場合以外は、むやみに指を入れないでください。
4. 📞 迷ったらここへ!緊急連絡先リスト
「何を飲んだか分からない」「少しなめただけだけど大丈夫?」と迷ったら、一人で判断せずにすぐ電話で相談してください。
【👶 休日・夜間の小児救急相談】
- 『 #8000 』(小児科医や看護師にどうすべきか相談できます)
【☠️ 薬・洗剤・タバコなどの誤飲専門相談】 日本中毒情報センター(中毒110番)
- 大阪中毒110番:072-727-2499(365日・24時間対応)
- つくば中毒110番:029-852-9999(365日・9時~21時対応)
- タバコ専用電話:072-726-9922(365日・24時間・自動音声対応)
5. 🍇 誤嚥(気管の詰まり)を防ぐための日常の工夫
誤嚥は、普段の「食べ物」でもよく起こります。
ミニトマト、ぶどう、豆類など「丸くてツルッとしたもの」は、そのまま与えると気管にスポッとハマりやすい非常に危険な形です。 必ず縦に4等分などに小さくカットし、「歩きながら・遊びながら食べる」ことはやめさせましょう。
最後に、小児科医からお伝えしたいことがあります。 子どもの誤飲・誤嚥は、本当に一瞬の隙に起こります。「ちゃんと見ていたのに…」とご自身を責めてしまうパパ・ママもたくさんいますが、まず必要なのは反省ではありません。
目の前のお子さんの「息ができているか」を確認すること。そして、一人ならすぐに応急処置をすること。これだけは忘れないでください。
呼吸や機嫌に問題がなく、危険なものを飲み込んだ可能性も低い(小さな紙やおもちゃなど)場合は、診療時間内にゆくいこども診療所へご相談いただいても大丈夫です。お子さんの「まさか」を、パパ・ママだけで抱え込まないでくださいね。
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執筆:ゆくいこども診療所 院長 宮城 (最終更新日:2026年9月13日)

