【小児科医が解説】台風で停電!エアコンなしの夜、子どもの熱中症を防ぐ「3つの守り方」
【この記事の3行まとめ】
- 台風による停電では、室内でも子どもの熱中症や脱水になる危険があります。
- 電気なしで乗り切る基本は「涼しくする」「ちょこちょこ水分をとる」「変化を見逃さない」の3つ!
- ぐったりしている、おしっこが少ない等のサインがあれば「様子見」はNG。早めの対応を!
こんにちは。ゆくいこども診療所です。
沖縄では、夏から秋にかけて台風が多くなりますね。暴風の恐怖はもちろんですが、子育て中のご家庭にとって一番心配なのが「長時間の停電」ではないでしょうか。
「エアコンが使えない…」 「扇風機も動かない…」 「冷蔵庫も開けられない…」
こんな状況が一晩以上続くこともあります。
特に小さなお子さんは、大人よりも暑さの影響を受けやすいため、「家の中だから大丈夫」とは限りません。
今回は、台風停電の過酷な環境から子どもを守るための「3つの対策」をお話しします。
1. まずは「暑さから守る」工夫を!
窓を閉め切った状態で停電すると、室温・湿度はあっという間に上昇します。電気を使わない方法で、少しでも体を冷やしてあげましょう。
- 濡らしたタオルを活用
- 水で濡らした冷たいタオルを首やわきに当てたり、皮膚を軽く湿らせてあげるだけで、体から熱を逃がしやすくなります。
- 保冷剤は「3つのポイント」へ
- 保冷剤をタオルで包み、太い血管が通る【首のまわり・わきの下・足の付け根(そけい部)】を冷やしましょう。※低温やけどを防ぐため、直接肌には当てないでください。
- 「風」を作る
- うちわや電池式扇風機を積極的に使いましょう。汗や濡れタオルに風が当たるだけで、体感温度はグッと下がります。
2. 次に「水分を守る」工夫を!(ちょこちょこ飲み)
暑いと汗でどんどん水分が失われます。大切なのは「のどが渇いてからガブ飲み」ではなく、「渇く前にこまめに飲む」ことです。
- 「一口、二口」をこまめに
- 普段飲み慣れているお水や麦茶で構いません。たくさん汗をかいている時や食欲がない時の「お守り」として、経口補水液を活用するのも良いでしょう。
- 食事は「食べられるもの」だけでOK!
- 暑さで食欲が落ちている時は、無理に普段と同じ量を食べさせる必要はありません。レトルトのおかゆ、ゼリー、果物など、ツルッと食べられるものを少量ずつでOKです。
3. 最後は「子どもの変化」を絶対に見逃さない!
停電中は暗くて暑いため、子どもの危険サインが見えにくくなります。体温計の数字だけでなく、「いつもと比べて元気か?」をこまめに観察してください。
【⚠️様子を見すぎないで!すぐに相談・受診が必要なサイン】
- ぐったりしている、呼びかけても反応が鈍い
- 水分がまったく飲めない、繰り返し吐いている
- おしっこが明らかに少ない、半日以上出ていない
これらのサインは、熱中症や脱水が進んでいる危険な状態です。
無理にお家で様子を見続けず、台風通過後(または暴風域を抜けて安全が確保でき次第)、速やかに受診してください。緊急性が高い場合は、119番への相談もためらわないでくださいね。
【FAQ】台風・停電時によくある疑問
🍼 赤ちゃんのミルクはどうする?
お湯を沸かす必要がない「液体ミルク」の備蓄が一番安心です!
粉ミルクしかない場合は、カセットコンロや飲料水、哺乳瓶の消毒グッズ(使い捨ての哺乳瓶など)を事前に準備しておきましょう。
🪟 暑いから窓を開けてもいい?
暴風域に入っている間は、飛来物の危険があるため絶対に窓は開けないでください。 「台風の目に入ったから風が止んだ!」と思っても、すぐにまた猛烈な吹き返しが来ます。「台風の目だから」という理由での換気は危険ですのでおすすめしません。
🎒 停電前に準備しておくものは?
☑ 飲料水・経口補水液
☑ 常温保存できる子どもの食事(ゼリーやレトルト)
☑ 液体ミルク ☑ 保冷剤・濡れタオル用の水
☑ うちわ・電池式扇風機
☑ モバイルバッテリー・懐中電灯
最後に、小児科医から伝えたいこと
赤ちゃんや乳幼児は、自分で「暑い」「のどが渇いた」と伝えることができません。暑さのせいで不機嫌になったり、眠そうにしているだけのこともあります。
だからこそ、「よく飲めているかな?」「おしっこは出ているかな?」と、親御さんがこまめに確認してあげてくださいね。そして、パパ・ママご自身の水分補給と休息も絶対に忘れないでください。大人が倒れてしまっては大変です。
台風が過ぎたあと、「なんだか子どもの様子がおかしい」「元気が戻らない」と思ったら、遠慮なくゆくいこども診療所へご相談くださいね。一緒に安全に台風を乗り切りましょう!

