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医療のまめ知識

【小児科医監修】夜中の発熱に慌てない!お家での観察ポイントと受診の目安

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【まとめ】

  • 発熱は体がウイルスと戦っているサインです。熱の高さよりも「水分が取れているか」「呼吸は苦しくないか」「活気はあるか」を優先して観察しましょう。
  • 生後3ヶ月未満の38℃以上の発熱、意識がぼんやりしている、呼吸が苦しそうな場合は、迷わずすぐに救急外来を受診してください。
  • 判断に迷う夜間や休日は、小児救急電話相談**「#8000」**を活用し、専門家の助言を仰ぎましょう。
  • 【保存版】#8000に電話する前に!メモしておきたい5つの項目
    夜間や休日の突然の発熱、慌てて電話をかける前にこれらをメモしておくだけで、専門家(看護師や医師)への相談がスムーズになり、より正確なアドバイスがもらえます。
    お子さんの基本情報: 年齢(月齢)、体重、既往歴(熱性けいれん等)。
    熱の経過: いつから出たか、最新の体温、熱の推移。
    「元気」のバロメーター: 水分は取れているか、おしっこは出ているか、眠れているか。
    すでに行ったケア: 解熱剤をいつ使ったか、種類は何か。
    一番聞きたいこと: 「明日まで待てるか?」「今すぐ受診か?」など。

【この記事の対象】

  • 想定年齢: 0歳〜6歳
  • 想定シーン: 夜間や休日に熱が出て、今すぐ受診すべきか明日まで待てるか迷っている

1. 疾患の概念(どんな病気?)

発熱は、体内に侵入したウイルスや細菌を退治しようとする正常な**「免疫防御反応」**です。

  • よくある経過: 多くの風邪(ウイルス感染症)では、2〜3日で自然に解熱します。
  • 重要ポイント: 解熱剤は「病気を根本から治す薬」ではなく、一時的に熱を下げて「本人のつらさを取り、体力を回復させるため」のものです。

2. 原因(なぜ起きる?)

乳幼児の発熱の多くはウイルス感染症ですが、稀に細菌感染症(中耳炎、尿路感染症、髄膜炎など)が隠れていることがあります。

  • 感染経路: 飛沫感染や接触感染がメインです。
  • かかりやすい要因: 保育園などの集団生活では、どうしても感染の機会が増えてしまいます。

3. 症状(よくある症状)

発熱に伴い、体の状態は以下のように変化します。

  • 熱の上がり際: 手足が冷たくなり、ガタガタと震える(悪寒)ことがあります。
  • 熱の上がりきった際: 顔が赤くなり、汗をかきます。
  • 全身状態: ぐったりする、不機嫌になる、食欲が落ちるなどの変化が見られます。
  • 随伴症状: 原因に応じて、咳・鼻水(呼吸器)、下痢・嘔吐(胃腸炎)、排尿時の痛み(尿路感染)などが見られることもあります。

4. 治療(基本の考え方とホームケア)

4-1. 家庭でできるケア

  • 水分補給: 脱水予防が最優先です。経口補水液、麦茶、授乳などを「少量ずつ、何度も」与えてください。
  • 衣類・室温の調整: 寒がっていれば温めます。
    • 熱が上がりきって暑がっていれば、薄着にして熱を逃がします。
    • 「手足がほんのり温かく、体幹(お腹や背中)が熱い」くらいが目安です。
  • クーリング: 本人が嫌がらなければ、脇の下や足の付け根(太い血管が通る場所)を冷やすと楽になります。

4-2. 経過の見通し

  • 多くの場合: 風邪であれば2〜3日で軽快します。
  • 注意が必要なケース: 4日以上の高熱が続く場合や、一度下がった後に再び高熱が出た場合は、合併症の可能性があるため再受診しましょう。

5. 受診の目安(ここが一番大事)

5-1. すぐに救急受診を検討(危険サイン)

  • 意識: ぼーっとして目が合わない、呼びかけへの反応が薄い、いつもと明らかに違う。
  • 呼吸: 呼吸が異常に早い、肩で息をする、胸がペコペコへこむ(陥没呼吸)。
  • 月齢: 生後3ヶ月未満で38℃以上の熱がある。(※この月齢の赤ちゃんは重症化しやすいため、1時間を待たず早めに相談・受診してください)
  • 水分: 半日以上おしっこが出ない、泣いても涙が出ない(脱水のサイン)。

5-2. 判断に迷う場合は「#8000」へ

「救急車を呼ぶほどではないけれど、明日まで待っていい?」と迷った時は、小児救急電話相談(#8000)を利用しましょう。

【#8000とは?】

小児科医や看護師が、お子さんの症状に応じた応急処置や受診の緊急性をアドバイスしてくれる窓口です。自治体によりますが、主に夜間・休日に対応しています。

5-3. 家庭で様子を見てOK(翌朝の受診でOK)

  • 水分が取れていて、あやすと笑う。
  • 解熱剤を使うと少し元気が戻り、眠れている。
  • 呼吸が穏やかで、顔色が良い。

6. 予防(できること)

  • ワクチン接種: 肺炎球菌、ヒブ、インフルエンザなど、重症化を防ぐワクチンを適切に受けましょう。
  • 感染予防: 手洗い、換気、流行時の人混みへの外出を控えることが基本です。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 夜中に39℃出ました。救急に行くべきですか?

A1. 熱の高さ(数字)だけでは判断しません。水分が取れていてスヤスヤ眠れているようなら、慌てずに翌朝の受診を検討してください。不安な場合は「#8000」へ。

Q2. 解熱剤はいつ使うのがベスト?

A2. 一般的に38.5℃以上で、本人がつらくて眠れない、食欲がない時に使用します。元気があれば高熱でも使わなくて構いません。逆に38℃前後でも、つらそうであれば使用して大丈夫です。

Q3. 冷えピタは熱を下げる効果がありますか?

A3. おでこに貼るシートは「気持ちよさ」のためのもので、解熱効果はほとんどありません。乳幼児の場合、ずれて口や鼻を塞ぐ窒息事故のリスクがあるため、使用中は目を離さないようにしましょう。

Q4.シャワーをあびてもよいのか

シャワーのメリットは多く、皮膚の清潔を保ち、 汗を流すことで「あせも」や二次感染(とびひ等)を防ぎます。また、 さっぱりすることで寝付きが良くなり、回復を助けます。さらに、 浴室の蒸気が鼻や喉を潤し、鼻詰まりや咳の症状を一時的に和らげることがあります。ただ、本人がぐったりしているなどがあれば、無理をさせないことが大切です。シャワーが熱すぎたり冷たすぎたりしないように調整しながら、短時間でいれ湯冷めさせないようにすることも注意点としてあげられます。


ABOUT ME
宮城 大雅
宮城 大雅
ゆくいこども診療所 所長
3人の男の子のパパで、趣味は子育てと筋トレ。子ども達との遊びをこよなく愛する小児科専門医です。障がい児・者医療に携わり10年以上が経ち、子どもたちが笑顔でいられる医療とサポートを、これからも大切にしていきたいと考えています。
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